本物の月見草(月よりの使者)
A.「ツキミソウ」(学名:Oenothera tetraptera)
B.「マツヨイグサ」(学名:Oenothera stricta)
C.「ヒルザキツキミソウ」(学名:O. speciosa Nutt)
D.「ヨイマチグサ」(マツヨイグサの表現の一つになった。)
一体どれが本物の「月見草」なのか?
調べると結構ややこしいです。
A.は、夏の午後7時頃から開花を始め、花色が白から
ピンクに変化する。
B.は、花色が黄色だから区別できる。
この二種類なら解り易いのですが、問題はC.です。
「月見草」は弱い為、ほぼ絶滅に近いと言われています。
ということは、どこからか種子が飛んできて、その辺に
簡単に繁殖するとは考えにくいです。
おそらく、学名も違うので待宵草の白花か同属別種だと
思われます。
D.は、一世を風靡(ふうび)した
♪待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草のやるせなさ
今宵は月も出ぬさうな、、、(^^♪
唄の影響で、語呂も良いから待宵草→宵待草になったよう
ですね。
エーイ!それでは、実際に種を播いて確かめてみようと
いうことになりました。
本物の「月見草」を初めて播きました。
君子欄の品種改良の傍ら実際に、「月見草」の保存栽培をされ
ている方から種子をいただいたので写真のようなトレイに播種
しました。
播く時期はいつでも良さそうですが、温度の関係で便宜上、春
3~5月が適期のようです。
まだ1月で早いと思いましたが、霜を当てないようにビニール
ハウスで栽培する予定で前倒しです。
以下、「月見草」についての保存説明文の抜粋になります。
ここから~
月よりの使者 月見草
「月見草」という花の名前は、おおかたの人は知っています。
しかし、おおかたの人は、ほんとうの「月見草」を見たことは
ありません。
おおかたの人が、「月見草」とよんでいるのは、「月見草」の
仲間である「待宵草」のことなのです。
太宰 治の「富士には月見草がよく似合う」もその一例です。
「月見草」や「待宵草」は、北アメリカあたりが原産の花です
が、明治の少し前に渡来し、観賞草花として栽培されてきまし
たが、性質の強い「待宵草」は野生化して生き残り、性質の弱い
「月見草」は、昭和の初期には、ほとんど姿を消してしまい、
学術書などでも、「幻の花といわれています」とか、「現在では、
一部の植物園に残っているだけ」とか「植物園や研究者の間で
保存されている場合もあるかもしれない」という現状になって
しまいました。
最も信用のある「牧野富太郎植物記」(昭和48年刊)や、
「原色牧野植物大図鑑」(昭和57年刊)にも「今日ではほと
んど見られない」と書かれています。
日本から姿を消した「月見草」は「つきみそう」という名前だけ
は人々の心に残り、やがて、「待宵草」を「月見草」とよぶよう
になりました。
「月見草」は、夏の花ですが、温度さえ調整すれば、真冬でも咲
きます。
開花時刻も季節や気温によりまちまちですが、午後7時ごろから、
蕾(つぼみ)がほぐれ始めると、みるみるうち和紙のような純白
の4枚の花びらが、ぴんと広がります。
そして、3~4時間たつと(これも季節や気温に関係しますが)
次第に淡いピンクの花びらとなり、朝には濃いピンクになり、
しぼんでしまいます。
今年、タネを蒔いて、来年、開花するはずの「2年草」ですが、
春に蒔くと秋に咲いてしまう、「1年草」でもあります。
私たち「日本月見草協会」は、「月よりの使者」のような、この
花を絶滅から守るために、約50年ほど前から、細々と保存活動
をしてきましたが、仲間の高齢化もあり、将来が心配されています。
是非、関心のある方のご援助を、いただきたいと思います。
~ここまで
上手く開花まで行けるか、これから発芽・生長までを見守ります。
途中経過を順次掲載するつもりです。
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